はじめに
仮想通貨市場は拡大を続けていますが、それと同時に取引所のハッキング事件も後を絶ちません。過去には、コインチェックやMt.Goxなどの大手取引所がハッキング被害に遭い、多額の資産が流出した事例もあります。
では、どのような取引所を選べば安全なのか?本記事では、ハッキング対策と安全な取引所の見分け方を詳しく解説します。
仮想通貨取引所のハッキングリスクとは?
なぜ取引所が狙われるのか?
仮想通貨取引所は、多額の資産を管理するため、ハッカーにとって格好のターゲットとなっています。特に以下のような理由で攻撃を受けることが多いです。
- セキュリティが脆弱な取引所が多い
- ホットウォレットに大量の資産を保管している
- ユーザーのセキュリティ意識が低い
- 取引所内部の不正アクセス
過去の大規模ハッキング事件
以下のようなハッキング事件が発生し、多くのユーザーが被害に遭いました。
取引所 | 発生年 | 被害額 |
---|---|---|
Mt.Gox | 2014年 | 約850,000 BTC |
Coincheck | 2018年 | 約580億円相当のNEM |
Binance | 2019年 | 約7,000 BTC |
安全な取引所の見分け方
1. コールドウォレットを活用しているか
安全な取引所は、ユーザー資産の大部分をコールドウォレットに保管しています。コールドウォレットとは、インターネットに接続されていないウォレットのことで、ハッカーの攻撃を受けにくいのが特徴です。
2. 2段階認証(2FA)の導入
ユーザーアカウントの安全性を高めるため、二段階認証(2FA)が必須になっている取引所を選ぶことが重要です。
3. 過去にハッキングされたことがあるか
過去にハッキング被害に遭った取引所は、その後の対策が不十分である可能性もあります。以下のような取引所のリスクを確認しましょう。
- 過去のハッキング事件に関する公式声明があるか
- 被害に遭ったユーザーへの補償があったか
- セキュリティ強化の取り組みが明確か
4. 取引所の規制・ライセンス
金融庁などの規制機関に登録されている取引所は、より安全性が高いと考えられます。日本国内の取引所であれば、金融庁の登録業者を選ぶのが安心です。
5. 取引所のセキュリティポリシー
公式サイトで公開されているセキュリティ対策を確認しましょう。以下のポイントに注目するとよいでしょう。
- マルチシグ(複数の署名によるセキュリティ対策)を導入しているか
- DDoS攻撃対策があるか
- 定期的なセキュリティ監査を行っているか
ユーザーができるハッキング対策
1. 取引所のウォレットに資産を置かない
仮想通貨を取引所に置いたままにすると、ハッキング被害に遭うリスクが高まります。長期保有する資産は、必ず自分のウォレット(ハードウェアウォレットなど)に移動しましょう。
2. 強固なパスワードを設定する
簡単に推測できるパスワードはハッキングリスクを高めます。以下のような安全なパスワードを設定しましょう。
- 英数字・記号を組み合わせる
- 12文字以上の長さにする
- 他のサイトと同じパスワードを使わない
3. 取引所の出金制限機能を活用する
取引所によっては、出金先アドレスのホワイトリスト機能や、出金時の承認プロセスを設定できる場合があります。これを利用することで、不正出金を防ぐことが可能です。
4. フィッシング詐欺に注意
正規の取引所を装った偽サイトにログインしないよう、公式サイトのURLをブックマークするなどの対策を行いましょう。
まとめ
仮想通貨取引所のハッキングリスクは常に存在しますが、適切な取引所を選び、適切な対策を取ることで被害を防ぐことができます。
- コールドウォレットを活用している取引所を選ぶ
- 2FAを設定し、セキュリティを強化する
- 金融庁などのライセンスを取得した取引所を利用する
- 資産の大部分を自分のウォレットに移動する
安全な取引環境を整えることで、安心して仮想通貨取引を行いましょう。