中央銀行デジタル通貨(CBDC)とは?世界の動向を追う!

応用編・未来予測

デジタル通貨の普及が進む中、中央銀行が発行するデジタル通貨、つまり「CBDC(中央銀行デジタル通貨)」が注目を集めています。各国で実験や導入が進む中、その目的や影響は一体どのようなものなのでしょうか?この記事では、CBDCの基本概念から、各国の戦略、そして未来への影響までを徹底解説していきます。

CBDCとは? – 基本概念と目的

CBDC(Central Bank Digital Currency)は、中央銀行が発行するデジタル通貨のことを指します。現金(紙幣・硬貨)と同様に、政府の信頼を背景に発行される法定通貨ですが、デジタル形式で存在する点が異なります。

なぜCBDCが必要なのか?

CBDCは、キャッシュレス化の進展に伴い、現金の利用が減少する中、中央銀行が通貨の流通を維持し、金融システムの安定を保つために導入が検討されています。また、既存の決済システムの効率化や、金融包摂の推進など、さまざまな目的があります。

CBDCの種類:リテール型とホールセール型

CBDCには主に2つのタイプが存在します。

  • リテール型CBDC:一般市民が利用するデジタル通貨で、スマートフォンのアプリなどを通じて支払いに利用されます。
  • ホールセール型CBDC:金融機関間の取引に利用されるデジタル通貨で、決済のスピードアップやコスト削減を目的としています。

各国のCBDC戦略 – 世界の動向を追う

世界各国でCBDCの導入が進められており、その戦略は国ごとに異なります。主要国の動向を見てみましょう。

中国:デジタル人民元(e-CNY)

中国はCBDCの開発で最も先行しており、「デジタル人民元(e-CNY)」の実証実験を行っています。中国政府はキャッシュレス化の推進と同時に、国際貿易における人民元の利用拡大を目指しています。

アメリカ:デジタルドルの検討

アメリカでは、FRB(連邦準備制度)が「デジタルドル」の導入を検討中です。プライバシーの保護やサイバーセキュリティ、金融システムへの影響など、多くの課題が議論されています。

欧州連合:デジタルユーロ

欧州中央銀行(ECB)は「デジタルユーロ」の研究を進めており、2025年頃の導入を視野に入れています。EU加盟国内での統一的なデジタル決済の促進が目的です。

日本:デジタル円の実証実験

日本でも「デジタル円」の実証実験が開始されています。日銀は、現金の代替というよりは、キャッシュレス決済の補完的な役割を目指しています。

CBDCの利点と課題 – メリットとデメリットを考察

メリット:決済の効率化と金融包摂の推進

  • 決済の効率化:CBDCは、送金速度の向上や、手数料の削減が期待されています。
  • 金融包摂の推進:銀行口座を持たない人々でも、スマートフォンを利用して金融サービスを利用できるようになります。

デメリット:プライバシーの懸念とサイバーセキュリティの脅威

  • プライバシーの懸念:中央集権的な管理により、取引の追跡が可能となり、プライバシーの侵害が懸念されています。
  • サイバーセキュリティの脅威:CBDCはデジタル形式であるため、ハッキングやサイバー攻撃のリスクが伴います。

まとめ:CBDCの可能性と課題を見据えて

CBDCは、通貨の形態を根本から変える可能性を秘めており、各国での導入が加速しています。しかし、その導入にはプライバシーの保護やサイバーセキュリティの強化、法整備など、さまざまな課題が伴います。

今後、各国の動向を注視し、CBDCがどのように私たちの生活を変えていくのかを考えることが重要です。デジタル通貨時代の幕開けに備え、正しい知識を身につけておきましょう。

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